本題を思い出した燐音は顔をあげた。
「これから百均に付き合ってくれない? 新しいメガネを買いたい」

「やっぱり、まだメガネは必要か?」
「まぁ、一応? なんか、僕の一部みたいになってたから、ないと落ち着かないっていうか」

今はもうそれほどメガネに頼っているわけじゃないことをアピールするためにそう言った。
本当は言葉よりもずっと頼っているのだけれど。

「そっか。それなら行くか」
詠斗はそう言って立ち上がり、自然と燐音の手を握りしめたのだった。