「そうじゃなくて……もう少し自信を持ってみたらどうだよ?」
「え?」

その言葉に驚いてまばたきを繰り返す。
まさかこのふたりに励まされるなんて思ってもいなかった。

「まぁ、お前の場合は顔を隠さなきゃいけない深刻な理由があるのはわかる。でも、なにかあったら俺たちもいるしさ」

と、言ってから「俺達じゃ信用ならねぇか」と、克也はポリポリ頭をかいた。
「でも、とにかく俺たちのことも頼っていいからさ」

京介が横から言葉を続けた。
詠斗と同じように燐音のことを守ってくれるということらしい。

「ふたりのことはもう友達だと思ってるよ。でも、どうしてそんなに気にかけてくれるの?」
聞くと、ふたりはそっと手を握り合わせた。

指を絡ませる恋人繋だ。
「じ、実は俺たちも付き合い始めたんだ。詠斗と燐音のおかげで」

顔を赤くして告白する京介に克也は嬉しそうに笑っている。