どこもかしこも暗闇に包まれている中で、その光が唯一無二のものに見えた。
「詠斗?」
なぜかその光の向こう側に詠斗がいるような気がして、燐音の歩調は早くなった。
だけど光にはなかなか近づいてこない。
それがもどかしくて小走りになり、やがて詠斗は廊下を走っていた。
光がじわじわと近づいてくる。
寮の廊下がこれほど長いはずがないのだけれど、その違和感にも気がつくこと無く必死で走った。
息があがって背中に汗が流れてきたころ、ようやく目の前に光が近づいてきていた。
それは人間の大きなほどある光の塊で、思っていたとおりその中に詠斗の姿があった。
詠斗はいつものように笑みを浮かべて燐音を見つめている。
「詠斗、なにしてたんだよ」
光があったことと詠斗を見つけたことにホッと胸をなでおろして右手を差し伸べる。
だけど詠斗の体がスッと後ろに遠ざかったのだ。
まるで滑るように、ひとつも表情を変えずに。
「詠斗?」
「詠斗?」
なぜかその光の向こう側に詠斗がいるような気がして、燐音の歩調は早くなった。
だけど光にはなかなか近づいてこない。
それがもどかしくて小走りになり、やがて詠斗は廊下を走っていた。
光がじわじわと近づいてくる。
寮の廊下がこれほど長いはずがないのだけれど、その違和感にも気がつくこと無く必死で走った。
息があがって背中に汗が流れてきたころ、ようやく目の前に光が近づいてきていた。
それは人間の大きなほどある光の塊で、思っていたとおりその中に詠斗の姿があった。
詠斗はいつものように笑みを浮かべて燐音を見つめている。
「詠斗、なにしてたんだよ」
光があったことと詠斗を見つけたことにホッと胸をなでおろして右手を差し伸べる。
だけど詠斗の体がスッと後ろに遠ざかったのだ。
まるで滑るように、ひとつも表情を変えずに。
「詠斗?」