「来たぞ……。ついに……」
俺はいよいよ始まる『神の世界での破壊工作』という、神をも恐れぬ前代未聞の挑戦にゴクリと唾をのんだ。
「よいしょ……。え……?」
身体を起こすと奇妙な感覚に襲われた。手足が異物のように感じられ、自分の身体が自分じゃないような、まるでブヨブヨとしたプラスチックになってしまったような違和感に戸惑う。
頬をそっと撫でてみると、肌の質感すら違っていた。
素っ裸な自分の身体を見回してみると、腕も足も身体全体が全くの別人だった。鏡のような光沢を持つ壁にはシュッとした、ある種イケメンの部類に入るだろうさわやかな好青年が映っている。
「なんだこりゃ!?」
そう言って、聞きなれない自分の声にさらに驚く。喉から出る声が、別の誰かの声のように響くのだ。
少し長身でやせ型だろうか? 声も少し高い感じだ。なるほど、ユータの身体をそのまま神の世界へ持っていけるわけではないということだろう。
イケメンにはなれたが、全くうれしくない。もちろん元の世界に戻れば元の身体には戻れるのだろうが……。
俺はふぅと大きくため息をついた。
『スカイポートへようこそ』
その時、機械的な音声ガイダンスと共に目の前に青白い画面が浮かび上がった。半透明のディスプレイが、フワリと空中に浮遊するように現れる。
「スカイポート?」
海王星の宇宙港? ということだろうか? この異質な空間が、神々の往来する場所なのか。
『衣服を選択してください』
画面にずらりと多彩な服のデザインが表示された。
「おぉ、やはり服は必要だよな」
いくらイケメンとはいえ、素っ裸で歩いていたら捕まってしまうのだろう。
「どれどれ……」
画面をのぞきこんではみたが、みんなピチッとしたトレーニング服みたいなのばかりである。全然グッと来るものがない。
「なんだよこれ……」
神の星なんだからもっとこう驚かされるのを期待したのだが……。仕方ないので青地に白のラインの入った無難そうなのを選んでみる。
ポヒュン!
不思議な電子音と共に、ゴムボールみたいな青い球が上から落ちてきて目の前で止まった。淡い光を纏ったその宙に浮かぶ球体は、かすかに脈動するように輝いている。
何だろうと思ってつかもうとした瞬間、ボールがビュルビュルっと高速に展開され、いきなり俺の身体に巻き付いた。
「うわぁ!」
未知の技術が、まるで生き物のように俺の体を包み込んでいく――――。
驚いている間に、それは服になって輝きも徐々に失われて行った。
撫でてみると、革のようなしっかりとした固さを持ちながらもサラサラとした手触りで良く伸びて快適だ。なんとも不思議な技術に俺は圧倒される。人間の科学では到底及ばない、神の領域の技術を目の当たりにしているのだ。
俺はいよいよ始まる『神の世界での破壊工作』という、神をも恐れぬ前代未聞の挑戦にゴクリと唾をのんだ。
「よいしょ……。え……?」
身体を起こすと奇妙な感覚に襲われた。手足が異物のように感じられ、自分の身体が自分じゃないような、まるでブヨブヨとしたプラスチックになってしまったような違和感に戸惑う。
頬をそっと撫でてみると、肌の質感すら違っていた。
素っ裸な自分の身体を見回してみると、腕も足も身体全体が全くの別人だった。鏡のような光沢を持つ壁にはシュッとした、ある種イケメンの部類に入るだろうさわやかな好青年が映っている。
「なんだこりゃ!?」
そう言って、聞きなれない自分の声にさらに驚く。喉から出る声が、別の誰かの声のように響くのだ。
少し長身でやせ型だろうか? 声も少し高い感じだ。なるほど、ユータの身体をそのまま神の世界へ持っていけるわけではないということだろう。
イケメンにはなれたが、全くうれしくない。もちろん元の世界に戻れば元の身体には戻れるのだろうが……。
俺はふぅと大きくため息をついた。
『スカイポートへようこそ』
その時、機械的な音声ガイダンスと共に目の前に青白い画面が浮かび上がった。半透明のディスプレイが、フワリと空中に浮遊するように現れる。
「スカイポート?」
海王星の宇宙港? ということだろうか? この異質な空間が、神々の往来する場所なのか。
『衣服を選択してください』
画面にずらりと多彩な服のデザインが表示された。
「おぉ、やはり服は必要だよな」
いくらイケメンとはいえ、素っ裸で歩いていたら捕まってしまうのだろう。
「どれどれ……」
画面をのぞきこんではみたが、みんなピチッとしたトレーニング服みたいなのばかりである。全然グッと来るものがない。
「なんだよこれ……」
神の星なんだからもっとこう驚かされるのを期待したのだが……。仕方ないので青地に白のラインの入った無難そうなのを選んでみる。
ポヒュン!
不思議な電子音と共に、ゴムボールみたいな青い球が上から落ちてきて目の前で止まった。淡い光を纏ったその宙に浮かぶ球体は、かすかに脈動するように輝いている。
何だろうと思ってつかもうとした瞬間、ボールがビュルビュルっと高速に展開され、いきなり俺の身体に巻き付いた。
「うわぁ!」
未知の技術が、まるで生き物のように俺の体を包み込んでいく――――。
驚いている間に、それは服になって輝きも徐々に失われて行った。
撫でてみると、革のようなしっかりとした固さを持ちながらもサラサラとした手触りで良く伸びて快適だ。なんとも不思議な技術に俺は圧倒される。人間の科学では到底及ばない、神の領域の技術を目の当たりにしているのだ。