(あっ、いたいたっ、きみが!)
私、岩原結実の、
もうすぐ、義理の弟になる男の子の背中を見つけて。
ゆっくり、ゆっくりと、近づいてみる。
バレないように、足音を立てないように。
「........................、」
「........................、」
お互いに無言で、
今日こそはバレないと思っていたけど...............
「........................、すげー、バレバレですけど、」
私の方を見ないまま、そう発する、
少し声変わりしたような少年の声が聞こえた。