「見ーつけた!」

 俺の前に無邪気に笑う女の子が一人。女の子の笑顔は俺の前方を流れる川の水面よりもはるかにきらきらしていた。逆光のせいで女の子の輪郭はぼやけていて、神々しかった。

 だから当時小学一年生だった俺は、天使が現れたのかと本気で思ったんだ。

 これが、頭の中にある凪、つまり遠野凪(とおのなぎ)の最初の記憶。


 遠野凪は四つ年上の幼馴染だ。