そんなこんなで週末。
学校が休みの土曜日に僕たちは猫カフェデートをした。
「にゃんにゃん、いらっしゃいませ~。お二人様ですね~、お席にご案内しますにゃん」
店内に入るとすぐにネコ耳を付けた店員さんに出迎えられて、席まで案内してもらう。
机にはメニューが置いてあって店員を呼んで注文するという、システム自体は普通の喫茶店だった。
普通と違うのは、椅子と机が低めのソファーとローテーブルなのと。
あとはもちろん店内を縦横無尽に行き来している猫たちの存在だ。
店内の至るところに猫がいる。
30匹以上いるんじゃないかな?
「うわぁ、すごい! 猫がいっぱいいる! There are a lot of cats!」
それを見た途端にワクワクを爆発させる彩菜。
でも、
「なんで急に英語……?」
「な、なんとなく……えへへ……」
ということらしい。
あ、照れてちょっと顔が赤くなってる。
可愛い。
店内は内装も凝っていた。
キャットウォークやキャットタワーが壁周りや天井にいくつも配置されていて、猫がそこを自由気ままに歩いているのだ。
そんな猫たちの気ままな姿を見ているだけで、自然と心がほんわか楽しくなってくるよね。
ソファに並んで座ってメニューを見る。
「ほらほら、おいで~♪ チュチュチュチュッ♪」
そしてもう待ちきれないといった様子でパパっと注文を終えた彩菜が早速、近くにいる三毛猫においでおいでをし始めた。
僕はそんな彩菜を笑顔で見守っていたんだけど。
なんということだろうか!?
まるでそれが合図であったかのように、猫たちがわらわらと一斉に彩菜の元に集まってきたのだ――!
「わわっ、いっぱい集まって来たね!?」
彩菜にわらわらと群がり始めた猫たちに、僕は思わず感嘆の声を上げた。
さすが彩菜、野良猫ハンターとして猫の写真をいっぱい撮っているのは伊達じゃない。
猫に好かれる素養をこれでもかと発揮しているみたいだ。
しかし事態は想定外の方向に進み始めた。
「ちょ、ええっ!?」
猫たちの猛アタックが始まったのだ。
数匹の猫が一斉に彩菜の足元にすりすりをし始めたかと思うと。
ある猫は彩菜の膝の上にぴょーんと飛び乗り、さらにもう一匹も飛び乗って狭い膝の上を押し合いへし合いおしくら饅頭をし始めたあげく、2匹ともそのまま彩菜の膝の上で丸まってしまう。
さらにソファやローテーブルの上にも大量の猫たちが登ってきて、彩菜に「にゃーにゃー」と撫でて撫でてアピールをし始めたのだ。
「はいはい、順番んだからね」
それを彩菜は片っ端から優しく撫でていった。
にゃーにゃー!
「あ、うん、よしよーし。いい子だね~」
にゃーにゃー!
「はいはい君もいい子ねー」
にゃーにゃー!
「うぅ、なんか大変なことになってるんだけど……はい、いい子いい子」
「あはは、彩菜は大人気だね」
「いっぱい甘えてもらって嬉しいことは嬉しいんだけど。でもでも、撫でても撫でても追いつかいんだけど……」
予想外すぎる展開についていけず目を白黒させる彩菜を見て、僕はほっこり幸せな気分になる。
「だねぇ」
一応、僕も彩菜の隣に座っていたので、猫たちを撫でるのに協力していたんだけど。
それでもとても全部を捌ききれそうな気配はなかった。
「っていうか君は多分もう3周目だよね? さっきも撫でてあげたよね? その特徴的な目元の黒ブチは覚えがあるよ?」
にゃにゃ?
可愛らしく目を見開いて小首をかしげる黒ブチ猫を、けれど彩菜はしょうがないなぁといった様子で撫でてあげるのだった。
学校が休みの土曜日に僕たちは猫カフェデートをした。
「にゃんにゃん、いらっしゃいませ~。お二人様ですね~、お席にご案内しますにゃん」
店内に入るとすぐにネコ耳を付けた店員さんに出迎えられて、席まで案内してもらう。
机にはメニューが置いてあって店員を呼んで注文するという、システム自体は普通の喫茶店だった。
普通と違うのは、椅子と机が低めのソファーとローテーブルなのと。
あとはもちろん店内を縦横無尽に行き来している猫たちの存在だ。
店内の至るところに猫がいる。
30匹以上いるんじゃないかな?
「うわぁ、すごい! 猫がいっぱいいる! There are a lot of cats!」
それを見た途端にワクワクを爆発させる彩菜。
でも、
「なんで急に英語……?」
「な、なんとなく……えへへ……」
ということらしい。
あ、照れてちょっと顔が赤くなってる。
可愛い。
店内は内装も凝っていた。
キャットウォークやキャットタワーが壁周りや天井にいくつも配置されていて、猫がそこを自由気ままに歩いているのだ。
そんな猫たちの気ままな姿を見ているだけで、自然と心がほんわか楽しくなってくるよね。
ソファに並んで座ってメニューを見る。
「ほらほら、おいで~♪ チュチュチュチュッ♪」
そしてもう待ちきれないといった様子でパパっと注文を終えた彩菜が早速、近くにいる三毛猫においでおいでをし始めた。
僕はそんな彩菜を笑顔で見守っていたんだけど。
なんということだろうか!?
まるでそれが合図であったかのように、猫たちがわらわらと一斉に彩菜の元に集まってきたのだ――!
「わわっ、いっぱい集まって来たね!?」
彩菜にわらわらと群がり始めた猫たちに、僕は思わず感嘆の声を上げた。
さすが彩菜、野良猫ハンターとして猫の写真をいっぱい撮っているのは伊達じゃない。
猫に好かれる素養をこれでもかと発揮しているみたいだ。
しかし事態は想定外の方向に進み始めた。
「ちょ、ええっ!?」
猫たちの猛アタックが始まったのだ。
数匹の猫が一斉に彩菜の足元にすりすりをし始めたかと思うと。
ある猫は彩菜の膝の上にぴょーんと飛び乗り、さらにもう一匹も飛び乗って狭い膝の上を押し合いへし合いおしくら饅頭をし始めたあげく、2匹ともそのまま彩菜の膝の上で丸まってしまう。
さらにソファやローテーブルの上にも大量の猫たちが登ってきて、彩菜に「にゃーにゃー」と撫でて撫でてアピールをし始めたのだ。
「はいはい、順番んだからね」
それを彩菜は片っ端から優しく撫でていった。
にゃーにゃー!
「あ、うん、よしよーし。いい子だね~」
にゃーにゃー!
「はいはい君もいい子ねー」
にゃーにゃー!
「うぅ、なんか大変なことになってるんだけど……はい、いい子いい子」
「あはは、彩菜は大人気だね」
「いっぱい甘えてもらって嬉しいことは嬉しいんだけど。でもでも、撫でても撫でても追いつかいんだけど……」
予想外すぎる展開についていけず目を白黒させる彩菜を見て、僕はほっこり幸せな気分になる。
「だねぇ」
一応、僕も彩菜の隣に座っていたので、猫たちを撫でるのに協力していたんだけど。
それでもとても全部を捌ききれそうな気配はなかった。
「っていうか君は多分もう3周目だよね? さっきも撫でてあげたよね? その特徴的な目元の黒ブチは覚えがあるよ?」
にゃにゃ?
可愛らしく目を見開いて小首をかしげる黒ブチ猫を、けれど彩菜はしょうがないなぁといった様子で撫でてあげるのだった。