「やっと見えてきたよ!」
 
 「疲れたよ~」
 
 「ああ、結構走ったな」
 
 私たちはリザースに戻る選択を取った。

 そして休憩することも無くリザースに向けて走り続けること1時間ほど……ようやく王国南部の都・リザースが眼前に見えてくる。

 まだ結構遠いが魔物の群れは見えないので安心できる。
 そうして私たちは王国南部の都・リザースに入る。
 
 「無事だったようじゃな"龍"よ」
 
 「はい、ただ魔物の大群がリザースをに来ていると感じ戻ってきました」
 
 私達がリザースに辿り着いたとき国王は安堵の表情を見せていた。

 やはり魔物の数は本当に恐ろしいものである……。

 数十キロは離れているのにも関わらず地響き、そして巨大な何かが歩く足音はもはや地響きと呼んで良いのかさえ分からないものであった。

 恐らく数百どころか千を越える数なのは間違いないだろう……。
 
 とりあえず安堵するのも束の間であり私たちは直ぐに対策を始める必要があるためか国の指示を聞くことにすることとした。
 
 この祭りに参加した他のパーティーも時間は掛かるだろうが戻ってくるはすだ。

 それに陛下の話によるとリスタが魔物の殲滅に向かったみたいなので問題は解決に向かうだろう……。護衛もしっかりつけているとの話だしね。
 
 色々と心配はあるかも知れないがなんといっても近衛騎士団は我が国の誇る最強の軍事部隊なのだ、それなら十分安心できるだろう……。

 この騒ぎで街にはかなりの混乱や不安も見られたが少しずつだが落ち着きを取り戻しているみたいだ。
 
 そう思った瞬間、何やら慌ただしい空気になり、誰かが声を荒らげていた。
 
 「う、上を見ろ!」
 
 なんだと思い全員が上を見てみると上空に何かの影が見え、その何かがこちらに向かって近づいてくる。
 
 そうそれは竜だ――。

 飛んでいる竜は3匹ぐらいでありとても巨大だと認識する。
 
 「陛下をお守りしろ!」
 
 近衛騎士団の第三と第四の隊長が陛下の周りを囲む。

 皆各々の武器を持って竜から守ろうと気概を見せているのだが正直厳しいだろう……。

 私達ですら敵わないと簡単に分かる存在だ、恐らくこの場にいるパーティーの精鋭をもってしても勝てるような敵ではない……。