それを聞くと改めて気合が入ると同時に周りの冒険者の目が恐ろしいほど鋭いのが分かった。
その場にいたSランク冒険者は敵意を剥き出しにしており、両者一歩も引かないように睨んでいる。
すると一瞬の間があってから、騎士が高らかに宣言した。
《これより王国の祭りを開催する!!!!》
いよいよ始まるのだ……そう思うと少しだが身体が震えるのが分かる。Sランク冒険者同士の競いと言うこともあり会場の盛り上がりは最高に達していた……。
今この会場にいる誰もが優勝を狙っているのだろう……。優勝すれば国家直属の冒険者になり、報酬金額も格段に上がる。
それに国家直属じゃないと知り得ない情報も色々知ることが出来そうだしな……。そうして周りを見ていると王国騎士団がいる事に気付く。
そしてその中に気になる人物を発見する……。王国騎士団団長リスタ、この国に置いては最高戦力に数えられる最強の剣士でもある。おそらく国王がここに来るのでその警護だろう。
そう思っていると壇上に一人の女性が出てくる。
《皆さまお待たせしました! これより開会式を始めます!》
開会式のアナウンスが流れると観客は大きな歓声をあげる――――。
流石国家、よくできた環境でこの大会は行われているみたいだ……。
「早速ルールの説明を始めたいと思います。まず優勝した方々は賞金と国王様から称号が与えられます」
そ賞金が出るのか、これは優勝しなくてはな……。
「試合の形式としてはどれだけランクの高い魔物を倒せるか……。そしてランキング形式として表示されますので1位になったパーティーがそのまま優勝になります!」
そう言うと大きな映像とテロップが表示される。
「期間は3日ありまして、ポイント数が高かったパーティーが優勝となります」
なるほどな……まあ弱い魔物を倒すよりランクの高い魔物を倒した方がポイントを多く獲得できるしそっちの方が断然いいよな。
「それではパーティーのご紹介に移ります! ……最初に! ギルド直属のSランクのパーティー”ドラゴンノツバサ”!!!」
名前がアナウンスされるとそれと同時にそのパーティーが表に出てくる。会場はそれに合わせ拍手が巻き起こった――――。
皆して強者の登場をまるでヒーローかのように興奮し、讃えている……。流石ランクが高い冒険者、人々の心をつかんでいるなと思っていた矢先の出来事だった……。