次の日の朝、私たちはギルドに行き新しい依頼が来ていないか見てみることにした。

「今さっき新しい依頼が来ましたよ」
 
 受付嬢がそう言うとギルドの中は一気に活気を増す。
 
「どんなもの?」
 
 リズが聞くと職員は続ける。
 
「ホワイトウルフの討伐になります、こちらの魔物の特徴などを説明させて頂きますね」
 
 ホワイトウルフ……かっこいい。そう思いながら受付嬢の話を聞いていくことにした。
 
「この魔物の特徴は真っ白い毛並み、そしてその性格の悪さです。ホワイトウルフは口から冷気を吐き相手を凍らせてしまう力を持っております、ランクはB級の討伐対象になり」
 
 そこでリズが遮る。
 
「B級なの!?」

 もう少し安全なのにしよ……?そんな事を私は考えていると職員がまた話しを始める。

「集団で動くことのない魔物ですし、繁殖期は過ぎていますので狂暴化はしていないかと」
 
 ふぅ良かった……とか考えているとレズリタが声を上げる。
 
「依頼を受けさせて頂きます!」
 
 それを聞いて職員は手続きをしてくれる。

 馬車はギルドが用意してくれるらしい。

 そして私たちは馬車に乗り、私達は目的地へと向かった。

 馬車で2時間ほど、ホワイトウルフが出没すると言う場所に辿り着いた。
 
「道中何も出なくて良かったね」
 
 レズリタがそう言うとリズも同感と声を上げる。

 受付嬢が言うには依頼場所は森の中だからもしかしたら出るかもしれないとの事だった。

 そんな事を思いながら私達は探索を進めて行くことに……すると急にリズは口を開いた。
 
「さっきからなんでこんなにも静か過ぎるの……?」
 
 私も疑問に感じた。とても魔物がいるように思えないし、普通ならそこら辺でゴブリンくらい出るはずだ。なのにそれすらいない。
 
「とりあえず気をつけて行こう!」
 
 そう言って更に奥へと進んでいくとだんだんと周りの温度が低くなっているように感じる。とても寒くなってきた。
 
「な、なにこれ……」
 
 リズが寒そうに声を出すとレズリタが口を開く。
 
「これは……まずいよ」
 
 その瞬間ホワイトウルフが私達の前に現れる。
 
 かなり寒いと思ったら周りが真っ白に染まる。これはホワイトウルフの作り出した結界なんだろう……。

 辺り一面雪景色だし、一体どこから来たんだこいつらは……そんな事を考えていると。

 リズが近くに1人倒れている冒険者を発見する。
 
「まずい!誰か倒れてるよ!」
 
 急の事で驚いたが取り敢えず生きてるかどうか確認をしないと。

 リズは倒れている冒険者の近くまで行き、息があるか確認をしている。すると私に向かって叫ぶ。
 
「ラゼル! この人まだ息があるからの安全な場所に連れていって! 私とレズリタはホワイトウルフをなんとかするから!」
 
 私は2人を信じてそのまま運び出すことにした。私は体温低下で動きが鈍いながらも慎重に進んでいく。

「レズリタ後ろから魔法で援護して!」
 
「分かった!」
 
 2人は役割を分担してホワイトウルフの相手をしているようだ。
 
 やはり戦闘経験が多いだけあって凄いと感じる。私は冒険者を安全な場所に運ぶことに成功したので走って2人のもとへ向かう。

 しかしそこいたのは余裕の表情を浮かべている2人ではなく、疲労の色が見える2人だった。