するとレズリタがある場所に指をさしている。指をさした場所に目を向けると魔法書があり《雷属性の魔法書》と書かれている。
 
 「ラゼル、取って~」
 
 レズリタが子供らしく足をジタバタさせる。可愛すぎるのも問題なのかもしれないと思った私は早速その魔法書を取りレズリタに渡すと大事そうに抱きしめるのだった。するとレズリタが口を開く。
 
 「ずっと前からこの本欲しかったの~、ちょっと高いから買えてなかったんだけどね」
 
 「今ならお金も足りるし、買えるね」
 
 私がそう言うとレズリタが更に棚をキョロキョロとし《炎属性の魔法書》を発見し手に取る。他にも色々な魔法書に夢中になっている様子で手に取っては棚に戻すを繰り返している。レズリタはかなり興奮しているのだろうか口からヨダレが出ている……。
 
 そんな感じで各々好きな魔法書2冊を購入し店を出ることにしたのであった。
 
 「やった~! 魔法書買えた!」
 
 レズリタは魔法書に大喜びでリズとエリックは剣に夢中。

 するとレズリタがあの赤い鉱石を私たちに見せて口を開く。
 
 「この鉱石には魔力がいっぱい入ってるから魔法を覚えるのが早くなるの!」
 
 確かに普通魔法を覚える際は魔力を使うので積み重ねになる。ただこの鉱石を利用して魔力を補充していけばすぐに魔法が覚えれるということらしい。

 でもいずれにせよ努力は必須だからレズリタは努力家なのだろう。レズリタは例の鉱石を自分のアイテム袋に入れ幸せそうに持っている。

 そのあとは昼食を取ることにし、昨日私とリスタが食べていた和食店に向かうことにした。
 
 数分歩き、店に到着して中へと入り席に座る。今回はリズとエリックが隣同士に座り私とレズリタが隣同士に座る。
 
 丁度昼時なのもあって混雑をしている中、メニューを見ることにした。魔法書のおかげでテンションが上がっているレズリタはどんどんページをめくっており鼻息も荒くなっている。

 少し待っていると料理がテーブルに運ばれ大きな丼にご飯をもりつけ、その上に色んなものが乗っている食べ物で食欲がそそられる。
 
 「いただきます!」
 
 私が元気よく食事を食べ出すとレズリタも真似るように食事を食べ始める。
 王都でこんなにも美味しい料理があるなんて思いもしなかった。

 すると横でレズリタが目を輝かせており、料理を口に掻き込んでいる。リズとエリックもレズリタが美味しそうに料理を味わっているので口に食事を運ぶ。

 すると二人の目がキラキラと輝き始める。余程美味しかったのだろうと思う。
 
 そのあと私たちは食事を終え、会計を済ませる。
 
 「おいしかったね~」
 
 「こんなに美味しい店があったなんて知らなかった!」
 
 「ラゼルの食べっぷりも凄かったぞ……」
 
 私たちは歩きながら会話をし、宿に向かう。到着して部屋に入るとレズリタは魔法書に夢中になってベッドに入り込んで読んでいる。

 「剣を貰えたし最高!」
 
 リズはベッドに寝そべりながらニヤついた顔でそう言っていた。ちなみにエリックは風呂場にいるみたい。
 
 そして私たちは雑談しながら部屋で時間を過ごすことにする。
 
 「そういえばそろそろギルドの依頼でも受けに行かない?」
 
 「良いね~、私たちもパワーアップしたからね」
 
 リズとレズリタはやる気に満ち溢れているようでガッツポーズを取っている。どうせここにエリックもいたら同じ感じで言うだろう。
 
 そんな訳で私たちは次の日の朝ギルドへと向かうことに決め、明日に備え寝たのであった。