「ラゼル! 食事どうだった!」
 
 「楽しかったよ」
 
 私は買ってきたお菓子を机に広げながら答える。
 
 3人はそれを見るや目を輝かせてお菓子を食べ始め幸せそうな顔をしていた。

 やっぱりリスタっていろんな店を知っているんだな。本当に良かった……。

 それからは温泉に入り今日の疲れを取る。

 明日もたくさんの名所を回らなければならないのだから休まなければな。

 そして湯上がりのタオル姿で広い部屋に足を運び私たちは談笑をし始めるのであった。
 
 「そういえば明日はどこに行くの?」
 
 「ん~、私魔法書を見たいんだけど~」
 
 「私は武器屋に寄りたいんだけど!」
 
 困ったことに意見がバラバラになってきており収拾が付かなくなりそうだった。

 このままではどうすることもできず会議が進まないので私が口を開く。
 
 「まず武器屋に行って、その後に魔法書見に行くのはどう?」
 
 4人ともその意見がよかったらしい。

 特にリズの目が星に変わりそうなくらい輝いていた。
 
 とりあえず明日の方針は決めることが出来たため安心だ。

 リズとエリックは武器の強化をしたいらしい。

 たしかに武器が強いと戦闘に余裕ができて楽になるから良いな。

 それに新しい攻撃方法を考えたりできるから戦力を更に上げることにつながるのもいい。
 
 そういえば私武器とか触ったこと無いな……。

 どんなのがあるんだろうか?

 楽しみだな~とワクワクしながらこの後は遊びつつベッドで1日が終わったのである。
 
 次の日の朝、私たちは温泉宿を出て馬車に乗り目的地へと向かう。
 
 「いやー武器屋に行くのは久しぶりだ!」
 
 「私もー!」
 
 エリックとリズは久しぶりの武器屋ということでとても心待ちにしていたようだった。

 2人はまるで子供のような無邪気な顔をしながら興奮した様子で話を盛り上げている。
 
 2人の会話を聞いているとエリックがたまに大剣について語っていることがあるらしくリズはとても興味深そうに話を聞いていた。

 たしかにあのデカい剣を自分が持っているところを想像するとわくわくするな……あんな重量が乗った剣を振ってみたいと思い私も会話を聞きつつ夢を見ていた。

 その横でレズリタがほっぺを膨らませて睨んでいるのが少し気になるが。
 
 レズリタはあまり剣に興味が無さそうだ。

 まあ魔法使いは剣は必要ないし攻撃方法が魔法メインだから仕方ないだろう。
 
 そして数十分後、馬車を降りて徒歩移動を開始する。
 
 目の前には美しい街並みが広がっており、とても古き良き雰囲気の街並みが広がっていた。

 エリックとリズはキョロキョロと周りを興味津々に見渡しながら歩き回っている。

 その微笑ましい姿を私とレズリタは静かに見守りつつ武器屋のある場所へ向かうことにするのだった。
 
 到着したのは大きな建物に剣や杖などがデザインされた看板がある。

 いかにも剣の専門店といった雰囲気の店だった。

 エリックとリズは見ただけで分かるほどのワクワクと期待をしながら店に入っていく。

 私達もその後ろに続いてついて行く。