そうして会話をしているうちに馬車が止まり王都に着き、衛兵による検問や通行料など色々検査されること数時間。

 馬車代を払い、私とリズは王都に入る事ができた。
 
「すっごく大きい壁だな」
 
 王都へと足を踏み入れた瞬間、第一に私の目を奪ったのは巨大な壁だった。

 それも相当な年季が入っているようだし一体何の為にあるのだろう。するとリズは私の疑問に答えてくれる。
 
「まあここはかなり攻めづらい立地してるからね? あとは戦争をする時の対策じゃないかな?」
 
 なるほど、と私が納得しているとリズはこれからどうするのかを聞いてきた。
 
「じゃあまずは宿屋とかで寝泊まりするためのお金を貯めなきゃいけないから……冒険者ギルドに向かうわよ!」
 
 そうしてリズは私の手を引く。そして巨大な門をくぐり、私達は王都に入るとそこには中世風のような町並みが広がっている。

「まずはラゼルの冒険者登録をしたいからギルドへ行きましょう!」

 そう言って私は冒険者ギルドへと向かった。

 ギルドに到着し、中へ入るとたくさん人がいる、依頼を受ける冒険者達に食事をする人々、賑わっているところを見るとおいしい食べ物がありそうだなぁ……そんなことを考えていると受付を見つけたので私は向かう事にした。

 だがそこには異様な雰囲気が広がっている。

「おい受付嬢! ここにあった肉を出せや! お前のとこのガキが横取りしやがった!」
 
 なんか受付嬢の胸ぐらを掴み、いちゃもんを付けいる男達がいた。

 下卑た笑みを見せているし恐らくそう言うことだろう。正直気分が悪すぎる、こいつらみたいなのが冒険者ならこの街を守る衛兵はなんなんだろう?

 まあそんなことよりもこの人達を止めないと……そう思っているとリズは猛スピードで男性の近くに寄る。
 
「やめなさい! 貴方達のやっている行為は立派な犯罪ですよ!」
 
 そう言われた男はこちらを睨みつけると口を開く。
 
「うっせぇなぁ? こいつの態度が気に食わねぇから躾てやろうとしてるだけだろぉ!」
 
 その下品な口調を聞いて更に不快感が込み上げてくる。

 。腹は立つがこいつらの正体にこの一言で察しがつく、どうせこれが仕事なんだろうなと私は思った。

「おい、嬢ちゃんねどかえとこいつがどうなるのか分かってるかぁ?」
 
 そう言って男は女性に刃物を当てようとする。私は仕方なく手を男に向け言葉を発する。
 
「《ポイズン》」
 
 私がそう言うと毒の液体が刃に当たりそれは落とされる。

 男達は困惑した表情を見せた後、動きを見せ始めるがリズはすぐに男に一撃を放つとその男は簡単にダウンした。

 それを見た女性は慌てて声を上げて、お礼を述べた。
 
「ありがとうございます!」
 
「いや、別に......」
 
 ラゼルは恥ずかしながらそう答えているとギルド内から歓声が上がる。