そう叫ぶと2人はヨルフに斬りかかる。

 2人ともさっきの戦闘後だと言うのにもかかわらず攻撃には一切のブレがない。
 
 私の狙い通り事は運んでいく、私の影でヨルフを包み込んでいるためヨルフの能力は発揮できないようである。
 
 そして……2人の攻撃がヨルフに届く。
 
 《バーチカルッッ!》
 
 《ギガントインパクトッッ!》
 
 ――――ザシュッッ!
 
 2人の攻撃を食らったヨルフは呻き声を上げながら苦しそうに体をよじらせる。
 
 エリックとリズはそのまま足を狙い2人は連続で足に向けて攻撃を入れ続ける。
 
 こうすることで徐々に足にダメージが与えられやがて足に力が入ることが無くなるという寸法である。
 
 「もう少しで奴の足が動かなくなる!  頼むぞラゼル!」
 
 そう叫ぶエリックに対し私は手を挙げて答える。
 
 現在魔力を使い果たしてしまっているため体の至る所に痛みが走り、意識を保つことで精いっぱいである。
 
 するとヨルフは影の中から叫び始める。
 
 「おい、ふざけるなよぉ……雑魚どもが! 僕は負けない!  このスキルさえあれば君たちのような奴らを殺すなんて」
 
 ヨルフが影の中で暴走を始めている。
 
 流石にこれ以上は厳しい、そう感じ2人に声を上げる。
 
 「そろそろ限界!  2人とも離れて!」
 
 2人はその言葉を聞きすぐに後退する。
 
 しかし……その瞬間私は目から血が流れ、体に力が入らなくなってしまう。
 
 スキルを強制解除してしまいヨルフが影を振り払ってしまう。
 
 「なんなんだ君たちは......」
 
 ヨルフは影から抜けるために自分の魔力を暴走させて苦しそうだ。
 
 今しかないと思いリズとエリックは一斉に飛びかかる。
 
 2人でタイミングを合わせエリックは頭部に剣を振りかぶり、リズは足に剣を振り下ろす。