「そういえば村の皆さんに会って貰えませんか……?」
3人は笑顔で同時に口を開いた。
「もちろんです!」
3人が行きたいのなら私も行きたいけどやっぱり虫多いんだろうな……。
そんな事を考えながら私達は村の人々に会いにいく。
村の中心部に近づいていくと皆家に籠もり警戒しているのが遠くからでも分かるほどだった。
「みんなー! 冒険者が依頼を受けて村まで来てくれたよー!」
男が声を発すると村人達がゾロゾロと家の中から出てきて近づいてくる。
「おぉ……よく来てくださいました」
「こんなに早く来てくれるとは......」
そんな声が聞こえてきた。
すると一人の女の子が駆け足で私の所に来る。
「本当に魔物を倒してくれるの!?」
「うん、約束するよ」
私はその女の子の頭を撫でてあげると先ほどの暗い顔から笑顔になる。
それから私とエリック、リズにレズリタの4人が周囲の人たちの感謝の言葉を浴びるなか村長の元へ案内される。
「遠いところ来ていただいたのに気づかず……本当にすみません、ささっ上がってくだされ」
そう言うと家へと促されたため私達はその家にお邪魔し奥へと進んでいく。
「どうぞこちらにお座りください」
誘導されるがままに椅子に腰かけると村長が口を開く。
「魔物たちが毎日押し寄せて来て私たちも生きた心地がしなかったです」
そりゃそうだ、森はモンスターが多くいる恐ろしい場所でもある。
「今日私たちが魔物が出る原因を確かめてきます。必ず討伐いたしますのでどうかご安心ください」
私がそう言うと村長は目から涙を流す。
「そう言って頂けるだけでありがたいです......もう本当に怖くて、ダメかと……」
よほどの恐怖が襲ってきていたのであろう。
しかし、なぜ何もしてないのに急に魔物が来るようになったのか……これが不思議でしょうがない。
そんな考えに耽っていると村長が声をかけてくる。
「今日はお疲れでしょうから一旦村でゆっくり休んでいってください。」
村長からそう言われ、私たちは村の宿で過ごした。
そして数時間が立ち、日が沈んでいく。
そろそろ行くか……。私は重たい体を起こし家から出た。
すると、宿の外では村人が待ち構えてこちらに話しかけてくる。
「夜になってきました……お気をつけていってください……」
私はそんな声を聞きながら笑顔で伝える。
「ありがとうございます、必ず魔物を倒してきます」
そんな返事を受け他の3人が続いて口を開いた。
「必ず討伐します!」
すると先ほどまで暗い表情をした村人たちは一斉に笑顔になってくれる。
そうして私たちは魔物達が出現するとされる森へと出発したのだった。