僕、佐藤謙也には恋人がいる。
朝学校に着くと、いつもの4人が教室で何やら楽しそうに話をしている。誠也、響、一輝、そして、凪。
櫻井凪とは親同士の仲が良かったので、保育園に通っていたときからの幼なじみで、何をするにも一緒だった。ずっと一緒にサッカーもやり続けているため、親友であり、競い合うライバルでもあった。そして今は、「恋人」でもある。
これは僕、佐藤謙也と櫻井凪の2人のなんてことない青春の話だ。
「おはよう」
そう言うと4人は振り向き笑顔で挨拶を返してくれた。
「「おはよう!」」
僕が席につくと、慌てて僕の元に駆け寄ってくる人が1人、凪だ。理由は大体検討がつく。
「謙也、おはよう...」
もじもじしながらこちらを見てくる。嫌な予感が当たりそうだ。
「おはよう、どうしたんだ?」
そう聞くと凪は手を合わせた
「ごめん!宿題やるの忘れちゃって...教えて欲しい。」
僕は凪のこういう所が好きだ。どれだけギリギリの状況でも僕の宿題を丸写ししようとはせず、教えもらって自力で解こうとする正直な所。
「また??」
と、言いわざとため息をついてみた。するとうるうるとした目でこちらを見てくる。可愛すぎるだろ。
「いいよ、持ってきて。」
そう言うと二ッと歯を見せて喜んで3人の元に戻り、教科書とノートを持ってきた。
...そういう感情丸出しのところも可愛い。