八月二十八日(金)

 朝、部屋を出る時、真澄の輪郭は更に霞み、体を通して後ろの部屋の壁が見えるようになっていた。真澄の姿が見られるのも、もうあとわずかだと思わざるを得なかった。帰宅した時にはもう見えなくなっているのではないかという不安に襲われたが、僕はいつも通りに部屋を出てバイトに向かった。