※ここでは『登場人物紹介①と②』で紹介できなかった人物を中心に紹介しています。
※年齢は2024年、前田郁恵の慶誠《けいせい》大学入学時。


14、桜井海人(さくらいかいと)

 桜井往人の父親、往人同様に視覚障がいを患っており、弱視の症状を幼い頃から持っている。
 学生時代、美術部で一緒だった深愛に惹かれ結婚するまでに至る。
 二人の間に往人が産まれ、苦難はありながらも幸せに暮らしていた三人家族は四年前のある日、崩壊の時を迎える。
 深愛が自殺のような状況で死に至り、最愛の妻を失ってしまう。
 その後、海人は深愛の妹と再婚することになるが、母を失いショックを受けていた往人が海人の行動に対して嫌悪感を抱いたことで疎遠になってしまい、今に至る。


15、佐藤隆之介(さとうりゅうのすけ)
 177cm 28歳

 音楽家の父親の跡を継ぎ、作曲もしながらピアニストととして活躍中。
 欧米人の血も混ざっているため地毛で金髪をしており、まるで貴族のような美男子として注目を浴びている。
 小学校卒業時にウィーンに留学をしてしまい、幼馴染の晶子と離れ離れになってしまったが、2011年に日本で発生した未曾有の大震災のニュースを聞きつけ、晶子の入院する病院に駆けつけ再会を果たす。
 それから、二人同時にピアノコンクールで華々しい賞を取り、隆之介は元気を取り戻した晶子を見届けてウィーンに帰国した。
 その後、ウィーンの地で結婚することになった二人は二人の子どもと共に幸せに暮らしている。


16、四方晶子(しほうあきこ)
 168cm 28歳

 ヨーロッパや日本で活躍する日本人女性ピアニスト。
 大和撫子を連想させる日本人らしい美貌を持ち、彼女がピアノを演奏する姿は女優のような美しさで見る者を魅了させる。
 その実力は年齢を重ねていく中で研ぎ澄まされ、多くの賞を受賞している。
 夫の隆之介同様、ロシア音楽家のラフマニノフやチャイコフスキーを尊敬していて、彼らの楽曲を多く演奏している。
 自身も震災を経験して両親を失っていることからチャリティーコンサートなどにも精力的に参加しており、地元の東北にも毎年顔を出している。
 喫茶さきがけで働く美桜華鈴とは過去にオーケストラで共演したこともあり仲が良く、華鈴は晶子のためにグランドピアノを店に置き続けている。
 震災の後遺症でしばらく声が出せなくなり、片耳が聞こえなくなる障がいを負った過去がある関係で、視覚障がいを持つ郁恵に共感して寄り添っていく。


17、河内志保(かわちしほ)
 172cm 25歳

 河内静江の姉、静江が就職の為、実家のある宮崎に帰省してからも同じ家に住み続ける。
 結婚をしてもなお、仕事を続けており、動物好きなところも変わっていない。
 郁恵のことは静江から話しをよく聞いていて、過去に面識もあるが、それは短時間の事だった。

18、佐々倉奈美(ささくらなみ)
 166cm 35歳

 郁恵が入院していた頃、お世話になっていた看護師。
 現在も勤務を続けていて、真美と郁恵の秘密を知っている数少ない人物。
 病院内ではベテラン域に達している。
 特に趣味がないことが悩みで仕事から帰ると疲れてお酒を飲んで眠ってしまう。