②冒頭部分のプロット


・1話


魔獣界にある火山の王国、ドゥンダータの火山の地下深くに宝が発生。
宝は異様な熱エネルギーを発生させ、火山に生息している魔獣たちや溶岩などを活性化させている。
そのことを聞いた冒険者たちは続々と王国に集まっていた。事を聞きつけたイオとトリトも魔動車で向かう。

火山の地下へ通じる洞窟の先には巨大な鍾乳洞がある。
車から降りて、妨害してくる他の輩と襲ってくる魔獣たちを退けながら進む二人。
最下層にたどり着き、いざお宝ゲットというところで火山が大噴火してしまう。

急いで地上へ逃げ延びるが辺り一帯が地獄絵図に。宝も溶岩と一緒に外へ飛び出し、謎の浮力で噴火口の真上に浮かぶ。
イオたちは魔動車に乗り込み雷雲を突き進み、真上から宝を取ろうと試みるが、宝の力が強過ぎてこのままだと王国自体が吹き飛びかねない状況に陥る。予想される被害規模が大きく、逃げる間に巻き込まれるであろうことを察する二人。
なので、宝をどうにかする決意をする。イオはトリトに掛けてもらった強力な飛行魔法と防御魔法を纏い、且つ自分の察知能力を使い宝の上に正確に降り立ち、仕方なく宝の力を利用してそのもの自体を破壊。
大部分は溶岩の中へ沈み、火山の活性化は収まり、一国の消滅に巻き込まれる事態は回避できた。

イオは宝を破壊した直後に破片をしっかりゲットしていた。破片でも高い熱エネルギーを秘めている。
無事に生還し、王国の消滅を防いだことから国王より後日、被害地域の復興を終えたら国を挙げて感謝の宴をしたいと誘われる二人。必ず出席すると約束をして王国を後にする。
その一方、謎の怪しい女性もまた、宝の破片を手にしていた。



・2話


ラゴラからの呼び出しで昼間の酒場に集まったイオとトリト。二人は相談を受ける。
その内容とは、ここ最近、人間界で魔法による闇討ちが相次いでいることについてだった。
被害者たちには人間界で新たに発見された海底遺跡の調査に参加しているという共通点があり、ラゴラは次に狙われるのは自分かもしれないと不安に思い、護衛を頼むために二人を呼んだのだ。

依頼を受ける二人。その日の夜、三人は泊まっていた宿屋で早速何者かに襲われる。
その場はなんとか退けたが、襲ってきた何者かがラゴラに遺跡の内部構造を聞き出そうとしていたのが引っ掛かり、その夜は別場所の宿屋に泊まり直してラゴラから心当たりを聞くことに。すると、少し前にその遺跡で宝が生まれたらしい。しかも、その宝が遺跡内を逃げ回るせいで調査の予定が大幅に遅れていると言う。
海底遺跡は新たに発見された場所のため、一部の、現地で調査している者たちしか今のところ内部構造は分からない。それを聞き出そうとしてきたということは、犯人は遺跡の宝を狙っているのではないかとイオは推測する。
ラゴラの護衛依頼から海底遺跡での特別依頼に切り替わり、宝を得るために遺跡へ向かう二人。遺跡内には空気があり、ラゴラの協力もあって迷いなく宝がいる大広間に近付いていく。
しかし、その途中で壁画を破壊して現れたアグルと出くわす。

アグルは初対面でイオたちに戦いを挑んでくる。その理由は、恋人からこの場所の宝をねだられたため。アグルの無茶苦茶な戦闘で遺跡は壊され、あまりに壊しまくったせいで海底遺跡は崩壊を始める。
その騒ぎのおかげでイオたちの目の前に意思を持った宝が現れる。宝は、水が苦手な自分はこのまま遺跡が崩壊すれば死んでしまうので助けてほしいと願い出てきた。全員で脱出するためにイオたちとアグルは一旦停戦し、宝と共に海上を目指す。
しかし、水中で泳げるアグルは宝を奪い一人で逃げようと思いつくが、その矢先に崩れてきた天井に足を挟まれる。その危機をイオに助けられる。

協力してなんとか脱出できた一行。とりあえず近場の陸地へ上がり一息つく。
その際にトリトはアグルに、おそらくその恋人が闇討ちの犯人であろうことを伝える。海底遺跡で宝が発見されたことはまだ公にはされておらず、宝が発生したと知っていた調査員たちは軒並み襲われた後だったからだ。
アグルはその場から去り、宝は助けられた恩とイオたちの人柄の良さから同行することを決める。
その後、アグルは恋人に連絡を取ってみようとしたものの、恋人からの返事は一度も無かった。



・3話


精霊界の森の奥にある墓場に宝が生まれた気配を察知したイオ。向かう道中の宿屋では先に墓場へ行き戻ってきた冒険者たちが滞在しており、話を聞いてみると、墓場ではなく過去の世界に着いたと言う。幻覚魔法の類だろうと予想したが解けなかったらしい。
それを聞いたイオたちは翌日、墓場へ行く前に精霊界の市場で道具や携帯食などを購入し、支度を整えてから目的地へ向かう。
墓場では昼の太陽光を遮る程の濃霧が発生しており、ハッシーに灯り代わりになってもらう。市場で買った魔法避けは効果を成さず、霧の中で過去の世界にたどり着いてしまう。しかも、それは三界が一つになる前の精霊界だった。

霧は晴れたが戻る道は既に無く、警戒しながら進む一行。現代とは違う過去の世界を散策したり、言葉が通じない荒々しい精霊たちに攻撃を受けたり色々していると、太古の精霊と一人の人間の女性の出会いを目撃する。
その光景に何か胸騒ぎを覚えたイオだったが、ちょうどその時に地面が大きく抜け落ち、イオたちは精霊の墓場の更に下へと落下してしまう。
落下した後に周囲を見回すと、風景は現代に戻っていた。どうやらドゥンダータでの噴火の影響がここまで及び、脆くなっていた地盤が崩れたようだ。互いの無事を確認していると、白い煙が岩の下から吐き出されているのが目に付いた一行。トリトは煙が魔力を帯びていることに気付き、これが謎の濃霧の原因ではないかと言う。
岩をどけると、そこには墓場の地下の更に下へ続く階段が存在していた。

煙をたどり地下へ降りる一行。階段はかなり古い精霊の墓場に繋がっており、幾つもの棺桶が並べられていた。トリトが鑑定してみると、おおよそ千年前に作られた空間だと判明する。
地震で蓋がずれた棺桶の一つから魔力が漏れ出し、墓場に近付く者たちに過去の世界の幻を見せていたのだ。そして、宝の気配はその棺桶からしていた。
おそるおそる蓋を開けて中身を確認してみたものの中は空で、蓋を開けた途端に気配も煙も消えてしまい、拍子抜けするイオたち。

この場所は文化的な宝だと己を納得させ、精霊界の報告すべきところに報告することにして一行は古い墓場を後にする。
イオは何故かあの過去で見た二人が気になっていたが、言葉にはしなかった。同じくトリトも心に引っ掛かることがあったが、言い出さなかった。
そしてその日の夜、イオたちが発見した古い精霊の墓場で何かを調査する怪しい人影があった。