俺は羊毛フェルト制作作業を中断し、スマホを持つ。そして行けそうな距離にある花畑をネット検索してみた。観光地として知名度や人気もある、よさげな花畑をいくつもみつけた。時期もちょうどよく、花はほぼ満開らしい。

「叶人、この中のどれか、どう?」

 綺麗な風景で、且つランチやソフトクリームも美味しそうで叶人が気に入ってくれそうな場所を三箇所、叶人に見せてみた。

 大きなラベンダー畑かひまわり畑、そしてカラフルな花が綺麗に、グラデーションになって並んで咲いている畑。

「どうしよう。どれも綺麗な場所……陽向くん、どれがいいかなぁ?」
「全部良いけれど、初めて撮るならここかな?」と、俺はカラフルな花の場所を選んだ。
「じゃあ、ここにしよ!」
「楽しみだな! 多分、電車で行くことになるかな? 時間とか調べとくわ」
「ありがとう! すごく楽しみ!」

 行くのは、二日後。

 その日の夜、早速その日のスケジュールを立てた。
 念入りに広い花畑の中で、どこが撮影スポットなのかまで調べた。

――叶人、楽しんでくれたらいいな。

 そうして俺らのぬい活は始まった。