連休が過ぎて、さらに暖かい季節になった。

 何故かお互いのキャラを羊毛で作ることになったから、学校か家で少しずつ作業を一緒に進めた。まずは二頭身ぐらいのキャラにした僕たちのイラストを描いた。陽向くんは実はあんまり絵を描くのが得意ではなく。陽向くんの数少ない弱点かな? 〝陽向くんが作る僕〟も、僕が描くことに。

 イラストが描けたら、それを参考にしながら各パーツを型紙に、羊毛を直接重ねて大きさが確認できるように、実物の大きさにして描く。

 作りたいイメージのイラストは毎回簡単に描いていたけれど、こんな感じかなと、いつもは感覚だけで羊毛フェルトをやっていた。こんな丁寧に型紙に描いたりするのは初めて。

 陽向くんを作るのだから、多分過去最高に丁寧に作る予感がする。今回は期限がないから、羊毛フェルトの陽向くんにスズメのショルダーバッグを持たせたいなとか、追加でアイディアが浮かんでくる。

 チクチクチク……。

 僕たちの羊毛フェルト制作作業は進んでいく。本当に一緒に作業をする時間が幸せ――。

 ちなみに陽向くんは無事にうさぎのもっふんちゃまを渡せたみたい。「予想以上に喜んでくれた」って言いながら、陽向くんはニコニコして嬉しそうで、僕も幸せな気持ちになれた。

 陽向くんは僕にたくさんの幸せをくれる。

 ずっとずっと、陽向くんと一緒にいたい。もしも恋人になったら、その願いは叶うのかな? 

 陽向くんには内緒だけど、僕はハグしてからずっと陽向くんを恋の人として意識をしているし、恋人になっても良いと思っている。前よりも陽向くんがキラキラしてみえるし、一緒にいてドキドキすることも増えた。それと、もしかしたらだけど、ハグをしたから僕の中で眠っていた陽向くんへの恋心が覚醒し、今の気持ちになったのかもしれなくて。実は昔から陽向くんのことを恋の人として好きだったのかもしれないとも考えた。

 だけど恥ずかしいから、陽向くんには何も伝えられなさそう――。