朝から告白のことばっかり考えてしまって、授業の内容が全く頭に入ってこない。
1日の最後の授業が終わってすぐ、おれはトイレに篭っていた。
1限から放課後になるまでずっと、頭の中は告白のことで頭がいっぱいで、普段なら真面目にとってるノートも白紙のままだった。
どんな言葉ならちゃんと伝わるか、その真っ白なノートに書き出してみようかと思ったりもしたけど。
【好きだ】
出てくる言葉はただそれだけで。難しいこともいっぱい考えたけど、どれも伝えたい言葉じゃなかった。
ただ『好きだ』って伝えられればそれでいい。
気持ち悪いって思われても、もうどうだっていい。
そうなったら祐希に慰めてもらう。おれは無敵。大丈夫。
トイレで鏡を見ながら自分を鼓舞して、パチンと頬を叩き気合いを入れて教室に向かった。
──ガラガラガラ…
閉まっていた教室のドアを開けると、教室はやけに静かだった。
それもそのはず。
教室にはもう、瑠夏の姿しかなかったから。
「……あ…」
席に座ってスマホを弄っていた瑠夏。
おれの姿に気付くと、スマホをポケットにしまって。
おれの緊張が伝わるみたいに、瑠夏の後ろのカーテンが大きく揺れた。