「ありがと祐希。
祐希の応援があったら、おれ頑張るよ」
「うん。応援してる」
『報告待ってるし、たまには遊ぼうね』と言って、祐希は犬を連れて帰っていった。
……やっぱり祐希は、気が合う友達だなぁ。
たとえおれに合わせてくれたとしても、おれは祐希以上に気の許せる人はいないと思う。
……まさか祐希がおれのことを好きだったとは全く気付かなかったが;
でも、やっぱりアイツの存在は心強いや。
「あ゛っ…」
そういえば『おめでとう』って言うの忘れた…。
まぁいっか。どうせ報告するのに連絡するし、たまには遊ぼうって言われたからいつでも会えるし。
いい報告ができるように、瑠夏にどんな返事されたとしても、おれにできることは全部やらないとな。
*
──とは言ったものの、翌日。
学校に祐希はいないし、味方がいなくて心細い…。
はぁ…と教室の机に突っ伏して朝の時間を過ごす。
……来週はもう夏休み。
それまでに歩梨さんが告白するのはたしかだろうけど、いつなのかはわからない。
早くしないとおれの勇気も萎んでっちゃうし…。
もう一つ大きいため息をついたとき、
教室に瑠夏のいつメングループが入ってきた。
そこに、瑠夏の姿だけなかったけど。
「えっ、あゆ今日告うの?」
「うん。今日いけるかなって!」
「いつ?」
「放課後!」
聞く気がなければ全然聞こえない声のボリュームなのに、おれはしっかり聞き耳をたてて聞いてしまった。
歩梨さんは、今日の放課後に瑠夏に告白する。
今日かぁ…!いきなりだな!
けどおれも、いけるかなって思うのは今日。
まだ、一番勇気がある。今日しかないって思ってた。
おれも瑠夏に……告白する。