「ありがと祐希。
祐希の応援があったら、おれ頑張るよ」

「うん。応援してる」


『報告待ってるし、たまには遊ぼうね』と言って、祐希は犬を連れて帰っていった。


……やっぱり祐希は、気が合う友達だなぁ。

たとえおれに合わせてくれたとしても、おれは祐希以上に気の許せる人はいないと思う。

……まさか祐希がおれのことを好きだったとは全く気付かなかったが;

でも、やっぱりアイツの存在は心強いや。


「あ゛っ…」


そういえば『おめでとう』って言うの忘れた…。

まぁいっか。どうせ報告するのに連絡するし、たまには遊ぼうって言われたからいつでも会えるし。

いい報告ができるように、瑠夏にどんな返事されたとしても、おれにできることは全部やらないとな。







──とは言ったものの、翌日。

学校に祐希はいないし、味方がいなくて心細い…。

はぁ…と教室の机に突っ伏して朝の時間を過ごす。

……来週はもう夏休み。

それまでに歩梨さんが告白するのはたしかだろうけど、いつなのかはわからない。

早くしないとおれの勇気も萎んでっちゃうし…。


もう一つ大きいため息をついたとき、

教室に瑠夏のいつメングループが入ってきた。

そこに、瑠夏の姿だけなかったけど。


「えっ、あゆ今日()うの?」

「うん。今日いけるかなって!」

「いつ?」

「放課後!」


聞く気がなければ全然聞こえない声のボリュームなのに、おれはしっかり聞き耳をたてて聞いてしまった。

歩梨さんは、今日の放課後に瑠夏に告白する。

今日かぁ…!いきなりだな!

けどおれも、いけるかなって思うのは今日。

まだ、一番勇気がある。今日しかないって思ってた。


おれも瑠夏に……告白する。