おれを誘う意味がわからない。


「おれはいいよ…
瑠夏抜きでおれと遊ぶ意味ないだろ」

「ん?まぁ、たしかに。
碓氷と友達になったのも瑠夏きっかけだしな」


そうだ。佐野や瀬戸と話すようになったのも、瑠夏が勉強会に誘ってくれたからで…。

おれ、瑠夏にはすげー恩があるのに…

『碓氷は瑠夏を嫌い』って瑠夏の友達(佐野たち)に思われてるなんて、恩を仇で返すようなものじゃん。


「でも、このままだったら碓氷、オレたちとも絡まなくなるでしょ?」

「……」

「オレ、瑠夏ほどじゃないけど
結構碓氷のこと理解してるつもり」


佐野と瀬戸とはこれからもずっと友達、なんて、それも嘘になっちゃうんだろうってバレてた。

まぁ、今の状況見たら普通にそう思うよな。

瑠夏を避けてるから、必然的に2人に声をかけることもなかったし…。


「……おれが瑠夏を避けてて、
佐野たちが瑠夏と一緒にいる限り、これからも佐野たちのことも避けると思う」

「だから、たまには瑠夏抜きで遊ばない?って」

「……いい」


せっかくの佐野の申し出にも、首を横に振った。

だって…佐野や瀬戸といたら…嫌でも瑠夏のこと考えちゃうから。


「碓氷って結構頑固だな。
遠慮しなくてもいいのに」


遠慮してるわけじゃないんだけどな。


「どうせ瑠夏、夏休みには彼女つくって
オレたちと遊ぶ時間減ると思うし」

「……………え?」