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それから2週間程経った頃。


「テスト返却するぞー」


瑠夏のことを気にしないようにと思ってるうちにあっという間にテストが終わった。

テスト期間なこともあって勉強に集中してたから、瑠夏のことを気にする時間が少なくて好都合。

そして結果は、勉強会の成果もあっていつもよりかなりいい点数だった。


佐野の教え方がよかったんだ。

後で佐野にお礼言わなくちゃ。





休み時間に、お礼として佐野に飲み物でもあげようかと教室を出た。


佐野って、何が好きなんだろう?

コーラとかオレンジジュースとか、なんでも飲んでたよな。

オレンジジュースなら間違いなく飲んでくれると思って、自販機でパックのオレンジジュースを買って教室に戻る。

でも、教室に佐野たちの姿はなかった。


「あ、ま、松雪さん!」

「碓氷くん、どしたの?」


瑠夏のグループは目立つから、クラスの誰かは知ってると思って松雪さんに聞いてみる。


「佐野、見なかった?」

「二階堂くんたちと掲示板見に行ったんじゃないかな?
テストのランキングの」

「ありがとう」


もう一度教室を出て、掲示板があるところに向かう。

瑠夏たちだけでなく学年のみんな見に来てたから、掲示板の前には人がわんさか集まってた。

掲示板に貼られてるランキングは、いつも30位まで書かれている。

……おれはいつもランキング圏外だから来ないんだけど、みんなよく集まるな…。

佐野はどこだろうと探していると、

キャッキャと女子たちの黄色い声が聞こえた。


「瑠夏くん2位じゃん!すごーい!」

「藍くんはまた1位おめでとー」


2人の姿は人に囲まれてて見えなかったけど、その人だかりの中心にいるってことはわかった。

……佐野は1位、瑠夏は2位、か……

掲示板を遠目から見てもわかる。そのランキングの中に、おれの名前はない。

おれの中では悪くない結果だと思ったけど…また圏外。

やっぱりおれ…

あの2人と釣り合ってない、なぁ…。


手に握ったオレンジジュースを見て

こんな安っぽいもんあげて何になるんだって思って。

佐野たちに声はかけずに、そこから逃げるように教室に戻った。