瑠夏の部屋に着いてベッドに下ろされると、包まっていた布団を奪い取られた。
代わりに、瑠夏のベッドの布団を掛けられた。
「……早く元気になれよ」
頭が痛かったからか、労わるようにおれの頭を撫でる。
さっき早くいなくなれって言ったから、瑠夏はすぐに部屋を出ていってしまった。
……だから、優しくすんなよ。
ズキズキと痛む頭を押さえて寝返りをうつ。
ふかふかの枕から瑠夏の匂いがして、ドクンと胸が高鳴った。
……瑠夏の、匂い。
安心する……。
そういえば、遠足の時のバスでもこんな匂いがして…
あの時、安心してたから寝ちゃったんだな…。
ちょっとだけ、頭痛が和らいできた気がする。
こうやって瑠夏の匂いに包まれてると、まるで瑠夏に抱きしめられてるみたいだ…
………って、なにその発想!キモいおれ!!
……でも、本当に抱きしめてもらえたらって…
想像して期待してしまう自分は、どうかしてる。
こんな風に考えてたら、気にしないようにしてても嫌でもわかるよ。
本当は、瑠夏に触られることも、キスされたことも
おれ、『嬉しかったんだ』って。