───……


目が覚めた時、窓から朝の光が差してて、むくりと体を起こした。


「………」


……あんまり眠れなかった。

いや、眠れはしたけど、10分置きくらいに起きてた気がして目覚めは気持ちよくはない。

見回すと、瀬戸はまだ寝てたけど

瑠夏と佐野はもう起きてるみたいで部屋にいなかった。


……え、今何時?

スマホを確認すると、朝の6時ちょっと前だった。

え、2人とももう起きてんの?早いな。

でも、ここに瑠夏がいなくて良かった。

……どんな顔すればいいか、わかんねーし…。


とりあえず喉が渇いて、水でも飲もうかとキッチンに向かう。

家主がいないけど、勝手に使っていいのかな…?

やっぱ許可いるかな?と悩みつつキッチンに行ったら


「あれ、碓氷。
早起きだな」


ちょうどキッチンから出ていくところだった佐野と出くわした。


「キッチンに用?」

「あ、うん…。水飲みたくて」

「なんか今日乾燥してんのか喉渇くよな。
そこにコップあるから使えば?」

「いいの?瑠夏に許可とらず勝手に使って…」

「いいよ。いつも遊ぶときも勝手に使ってるから」


瑠夏の家で遊ぶのに慣れてる佐野が言うんだから、いいのかな。

後で怒られたらその時はその時だ、と思って、佐野の言葉に甘えてコップを使わせてもらう。

水道の水をコップに注いでると、

部屋に戻ると思ってた佐野が、じっとそこに立ったままおれを見ていた。


「……佐野、部屋戻んねーの?」

「ん?いやー…、
碓氷、なんか言いたいことねーかなーって」

「佐野に言いたいこと…?」

「ていうか、オレに相談したいこととかあれば聞くけど」


相談したいこと…

もしかして……瑠夏、佐野に何か言ったのか?