「さては恋バナか〜?
そういう話は寝る前に布団寄せてやるんだぞー。
1人だけおいしい思いするなよなー」

「そういう話じゃないよ」


恋バナ…ではあったけど

あんまり茶化していい雰囲気ではなかったから。

だから瀬戸たちに言っていいかも微妙なので。


「おれだけ友達歴短いし、ちょっと親睦を深めたかっただけだよ」


はは、と笑って流しておいた。

佐野といい瀬戸といい、ちょっと空気読まないとこあるよな。

意見を求めてるわけじゃないけど、悩みを聞いてほしいだけの時だってある。

それを、たぶんコイツらすぐ茶化すから、瑠夏も相談しにくいんだろうな。


「おーいコップ持ってきた…って、何話してたの」


何故かドン!ドン!とコップを強めにテーブルに置いていく瑠夏。

……なんか、怒ってる?


「悪口?」

「言ってねーって!」

「藍、ほんと?」

「言ってないよ」


佐野の言葉に瑠夏は『ならいいけど』と返してソファーに座る。

その時一瞬、おれと視線があった気がしたんだけど。


「………」


すぐにフイッと視線を逸らされた。


……あれ?

今、なんで視線逸らされたんだろう?


おれ、知らないうちに怒らせるようなこと言っちゃった…?