とりあえず半分、それをさらに半分で4等分にして。


「瑠夏、これ」

「え?デカくね?」


とりあえず4分の1サイズを瑠夏に渡した。


「今日誘ってくれたお礼と…おれと仲良くしてくれるお礼ってことで…特別に多めにもらっていいよ。
でも、みんなには内緒な」


しーっと人差し指を立ててこっそり伝える。

瑠夏は照れくさそうに


「あ…りがと」


そう呟いて

みんなと同じサイズになるように、半分をすぐに食べてしまった。


「やべー、今の全然味わえなかった」

「残りは味わって食べろよな」

「俺が選んだやつだからな。ちゃんと味わって食べる。
……千早、ありがとな」


瑠夏がそう言って、おれの頭をポンと撫でた。

……え…撫で…?

おれは今瑠夏に触られてるのかと思ったら、急に恥ずかしくなって。


「あ、頭撫でるとか、やめろよな!」


パシン、とその手を払ってしまった。


「……わり。馴れ馴れしすぎた」


『反省反省』と呟きながら、瑠夏はケーキの乗った皿を持ってリビングの方へ行ってしまった。

……手、払うことなかったよな。

嫌だったわけじゃないのに。


……上手くいかないな。