心配しなくても瑠夏の方がモテるし頭も良いし運動神経もいいじゃん。それ以上何求めてんだよ。
おれなんかライバルとか言えるようなもんじゃねーだろ。
「現にほら、松雪さんが碓氷とばっかり話してたりするから」
「あー……」
そういえば佐野は、瑠夏は松雪さんが好きなのでは?って思ってたんだっけ。
……あれは、瑠夏のアプローチにも問題があると思うけど…?
「あれは、瑠夏自身にも問題があると思うけど…」
「たしかにな。瑠夏ってちょっと松雪さんに当たり強いよな」
勉強そっちのけで佐野と話が盛り上がってしまう。
主に瑠夏のことだけど、佐野は不思議と話しやすい。
佐野が言ってた通り、同じ〝おとなしいタイプ〟だからか?
「まぁ、もし松雪さんが碓氷を選んだら瑠夏の自業自得だし、そうなったらオレは碓氷を応援するよ」
「……おー、ありが…」
おれを応援してくれるんだーって喜んでお礼言いそうになったけど。
「〝そうなったら〟って、ならねーから!」
松雪さんがおれを選ぶとかなに言ってんだよ。松雪さんに失礼だろ。
そう言ってもニヤニヤしてる佐野。
あーそうだコイツ、人の話も聞かねーし空気も読めない奴だった。
何を言っても無駄だと思って、会話を終わらせるようにノートと向き合った。