瑠夏の案内で家に着くと
おれのカバンがデカいから気を遣ってか、瑠夏はドアを開けたまま待っていてくれた。
「どーぞ」
「お、お邪魔します…!」
家の中に入らせてもらって、一応家の人に聞こえるくらいの声量で挨拶をした。
そういえば、家族の人、何人なんだろう?
ロールケーキ1本じゃ足りなかったかな?
「あの…瑠夏」
「ん?」
「家族の方は…?」
「いねーよ。
昨日から旅行行っててさ」
「えっ!そうなの!?」
「ちょうどいなくて都合いいから呼んだんだよ。
だからそのケーキ、俺の家族の分は残さなくていいから」
なんだ。家族の人いないのか。大きな声出しちゃって恥ずかしい…。
「藍たち来るまでゆっくりするか。
とりあえずあがって」
「うん」
瑠夏に案内されたリビングに荷物を置かせてもらった。
瑠夏の家…リビング広っ。
「寝る時そこに布団敷いて雑魚寝だけど、
千早、床でも大丈夫?
嫌なら俺の部屋のベッドで寝てもらってもいいけど」
「全然大丈夫!
修学旅行みたいで楽しそう」
主には勉強だけど、夜は男だけだもんな。
本当に修学旅行みたいだったら、恋バナとかすんのかな。
ちょっと楽しみ。