それが恋になるまで



「に、二階堂って、こういうとこ来るんだな」

「意外って言いてーの?
だから誰にも言いたくなかったんだよ」

「別に、そうは言ってない」


意外、とかよりも。

疑いが確信に近付いた、と言ったほうが正しいかも。


「二階堂、さ、
このゲームのもとのアニメ、好きなの?」


だとしたら、確信なんだけど…


「え、知らん」

「だ、だよな〜…」


えっと…

やっぱり気の所為、なのか…?


「けど、歌はいいよな。
だから、このゲームはずっとやってる」

「ずっとって、いつから?」

「……1年前くらい?」


1年前なら、おかしくない。


「に、二階堂、さ!
もしかして、大会とか、出たことある!?」

「……なんで知ってんの?」


や、やっぱり!

このゲームは年に一回、誰が一番音ゲーが上手いか競う大会がある。

半年くらい前に行われた大会の配信で、二階堂らしき人がいるなってずっと思ってたんだけど

あれ、やっぱり二階堂だったんだ…!


「地方大会、優勝してたよな!?」

「あー…まぁ。
全国では、ボロボロだったけど」


なんでそんなことまで知ってんだよ、と気まずそうに頭を搔く二階堂に

配信されてたこととか、アーカイブも残ってることを伝えたら、

『げ』と嫌そうな顔をしてた。


「下手するとクラスのやつにバレる可能性あるじゃん」

「……」


まぁ実際おれにはバレてるんですけど…。