それが恋になるまで



「とにかく泊まりに祐希は関係ないから」

「ちゃんと勉強するなら行ってもいいわよ。
お世話になるんだからお茶菓子持ってくの忘れないようにね」

「うん」


母さんの許可ももらったので、

メッセージアプリを開いて瑠夏に連絡しておく。

するとすぐに返事が来た。


【みんなもOKだって。
グループ招待しとくな】


瑠夏のメッセージの後、

グループに招待されて、参加させてもらって。

その後、メンバーからメッセージが来た。


【碓氷だよな!よろしく!】

【一緒に勉強がんばろーねー!】


グループチャットに届いた言葉は、どう見てもおれに向けられてるものだから無視するわけにもいかなくて。

こういうメッセージのやりとりをほとんどしてこなかったおれは


【よろしく】


たったそれだけの文字だけ書いて、ポコンと送信の音がした。

……しまった。素っ気なさすぎたかも…。


みんなからはその後言葉はなく、スタンプが送られてきた。

おれのせいで会話が終わってしまった……。

……でもべつにいいのか、これで。

みんな本当は『誰こいつ』って思ってるかもしれないし。

瑠夏が誘ったから気を遣ってくれてるだけ。

瑠夏の友達の陽キャ集団の中におれと会話したいと思ってる人がいるはずないし。


スマホとにらめっこしながら、おれって本当にダメな奴だなって自己嫌悪。

面と向かって話してるわけじゃないんだし、もっと愛想良くできればいいのに。

絵文字とか使うタイプじゃない。

……そういえば瑠夏も、あんまり絵文字使うタイプじゃないな。

なのにいつも、文章が明るく見えるんだよな。

いいなぁ……おれもそのくらいにはなりたい。