「ただいまー」
「おかえりー」
「母さん、週末友達の家泊まってもいい?」
家に帰るなり、母さんに相談する。
瑠夏の友達たちからOKが出るかもわからないから、『まだ確定じゃないけど』と付け足した。
「いいけど、勉強は?」
「友達ん家で勉強会するの」
「もしかして、祐希ちゃん家?」
「違うよ。
同じ学校の友達ん家」
「あらそうなの〜。
全然学校の話しないから友達いないのかと思ってたのに」
おいおい。グサッとくるセリフ言うなぁ。
母親なんだから、もうちょっと息子に優しくしろよなー。
ていうか、祐希ん家なんて行くわけない。最近連絡もとってないのに。
アイツから連絡来ないから、たぶん忙しいと思ってこっちからも連絡は避けてる。
「たまには祐希ちゃんとも遊べばいいのに」
「またそれ……」
祐希とは、中学の時一番遊んだ。
放課後も休日も遊びに行ったり来たり。ずっと遊んでて、一番仲が良かった。
おれの、中学の時の一番の友達。
唯一の、オタク仲間だった。
本当は、おれだって遊びたいと思ってる。
けど、おれより祐希の高校のほうがレベル高いし、おれより遊んでる余裕なんてないだろうからこっちからは誘えねーよ。
アイツとも一緒にゲーセン行ったりしてたけど、
高校入ってからゲーセンでバッタリ会ったり…とかもないし、そんな余裕ないんだよ、たぶん。