遠足で同じ班だった佐野はまだ話せるけど、それ以外の人とは全く話したことがない。
しかも瑠夏のグループの女子、ギャル多いし…。絡める気がしねーんだけど…。
「……おれ、浮いてるし、
馴染める気がしない…」
「俺がいるから大丈夫」
心強い、と思ったんだろう。
瑠夏のその言葉に、胸が温かくなる感じがした。
「……迷惑じゃなければ、
行きたい…かも」
「おう。じゃあみんなに伝えとくわ」
『じゃーな』とおれに手を振って、瑠夏はグループのみんなを追いかけて教室を出ていった。
……い、いいのかな。勉強会なんて。
おれ、結構バカだから……瑠夏、呆れるかも。
じゃあ勉強会参加しないほうがまだバカを晒さずに済むような…でも成績悪かったら母さんからゲーセン出禁を言い渡されることもありそう。
そうなったら本当に瑠夏との接点が消えてしまう。それだけは嫌だ。
バカだと思われてもいいから、せっかくできた友達との繋がりは消したくない。