───
それからキャンプ場近くを散策したりして時間が流れ、もう帰りの時間になる。
楽しいことはあっという間、と言うけど、本当にその通りだ。
帰りのバスも瑠夏の隣。おれが窓側に座った。
「寝てもいいよ。また隠すし」
「寝ないよ!」
せっかく瑠夏の隣にいるのに、寝たらもったいないじゃんか。
おれは…瑠夏といっぱい話がしたいのに。
チラッと瑠夏を横目に見ると
瑠夏はおれの方を見ずにポツリと呟いた。
「……今日、ごめんな」
「え?」
「俺、めっちゃ感じ悪かっただろ。
松雪さんと話してる時とか、なんか突っかかったりして…」
『ごめん』とまた謝られる。
そんなこと……ないとも言い切れないけど
感じ悪いとか、おれは思ってない。
「おれは全然気にしてないけど、
……それ、松雪さんに言ったほうがいいよ」
「は?なんで」
「二階堂くん意地悪だ!って言ってたから」
隣に松雪さんがいるから、聞こえないようにこっそり瑠夏に教えてやる。
でも瑠夏は、
「べつにいいよ、『意地悪』で」
改善する気は全くないみたいだった。
……おまえ…本当にいいのかよ。
せっかく遠足終わったのに、松雪さんの瑠夏に対する好感度下がったんじゃないか?
……まぁ、瑠夏がいいって言うならおれは何も言わないけど。