どう応えるのが正解なのかわからず狼狽えていると

おれが困ってるのを察してくれたのか、


「冗談。
ちゃんと俺が食うから」


ハハッ、と笑って瑠夏は自分のカレーをすげー速さで食べてしまった。

……なんだよ、おれをからかっただけかよ。

なんだよ、もう…!!


「……っ」

「碓氷くん?
顔赤いけど、甘口でも辛い?
水飲む?」

「ぅあ…っ、ご、ごめん、大丈夫!
あっ、でも水、ほしい、です」


カレーが辛いわけじゃない。気温が高いわけでもない。

ただ、おれの顔はめちゃくちゃ熱かった。


「……碓氷って」


水を飲んでると、佐野がじっとおれを見てきて。


「…え、なに?」

「……意外とわかりやすいよな」


それだけ言うと、黙ってカレーを頬張った。

……え?なにが〝わかりやすい〟なんだろう?


……あれ。もしかして。

おれが瑠夏の行動に照れたのがバレた…!?

………いや、でもあれは誰でも照れ……ないか。男なら。


………え?じゃあなんでおれ

あんなに顔熱くなって

すげぇ、ドキドキしたんだろう…?


恥ずかしかったとか

それだけじゃない、気がする。


瑠夏といると、おれ、変になるんだ。

……なんでかわかんないけど、変なんだよ。