みんながいる作業場所へ戻ると、女子たちと準備をしてくれてた佐野がおれらを見て
「……おまえら、小学生?」
と呟いて、その持ってた袋をスッと奪っていった。
仲良しアピール、出来てたのか……?
佐野は完全に呆れてたように見えたけど…。
……恥ずい思いしただけじゃん。
その恥ずかしさを誤魔化すために、野菜を洗い始める。
「水冷たーっ」
「誰か野菜洗ってーっ、冷たすぎ!」
他の班から聞こえた声に、え?と顔をあげた。
水……冷たい?
たしかに冷たいけど、むしろおれは気持ちいいと思うんだが…。
ていうか
───おれ、顔、熱い。
恥ずかしすぎて、熱いんだ。
小学生みたいって言われたから。
でも……それだけじゃない、ような…?
「碓氷くん水触ってて平気?」
「……へっ!?
あ、う、うん。おれ体温高い、から…」
松雪さんに話しかけられて、咄嗟にそう返す。
体温高いわけじゃない。
ただ、どうしてか…
さっき、瑠夏と一緒にいたときに、すげぇ熱くなった気がする。