仲良い…って、そう見えるのか。
松雪さんは同じ班なのにギスギスしないように、おれに気を遣ってくれてるだけだと思うけど…。
「気ぃ遣ってくれてるだけだと思う。
おれ、友達いないし」
「はぁ?俺友達だろ」
「松雪さんは、おれらが友達って思ってないと思う」
ただ人数が余ったから同じ班になっただけって思ってるよ。
「名前呼んだり、あんなにアピールしたんだから
友達って思ってるだろ」
「同じ班になったのをきっかけに、って思ってるんじゃない?」
「はぁ〜?遠足前から仲良しですけど〜」
本人もいないのにマウントとってる言い方する瑠夏。
……って、なんでそんなとこで張り合ってんだよ。
「おれは、瑠夏と一緒のほうが気分がいい」
「……は!?」
「…ま、松雪さんといるより、瑠夏の隣の方が心地良いから」
異性より同性の方が気が楽だし、
その中でも瑠夏には……たぶんめちゃくちゃ気を許してると思う。
じゃなきゃバスで熟睡なんてできない。
「……ふーん。
じゃあ仲良しアピールしながら戻ろうぜ」
そう言った瑠夏は、おれが持ってた袋の取っ手の片方を握る。
おれと瑠夏の二人で一つの袋を持ってる状態になった。
「……はじめてのおつかいみたいだな」
「仲良し兄弟みたいで良くね?」
高校生でこれはちょっと恥ずいわ。