コテージに荷物を置いて、キャンプ場に移動する。

先生から説明を聞いてる間、隣りにいた松雪さんがコソッと話しかけてきた。


「カレー作り、楽しみだねー」

「うん…」

「……碓氷くん?どしたの?」

「おれ…カレー甘口しか食べれない…」


甘口じゃなかったらどうしよ…とぼやいたら、

松雪さんがふふっと笑った。


「そうなんだ?(かわいい〜)
じゃあもし甘口じゃなかったら、こっそりハチミツ入れよっか!」


松雪さんがニコニコ笑いながらそう言ってくれた。

……本当に、良い子だよなぁ。

良い子すぎて、何か裏があるのかと思ってしまうくらい。


「じゃあそれぞれの班の男子は野菜類取りに来てね。
女子はその間使う道具を洗って来てー」


先生から説明が終わり、言われた通り野菜類を取りに行こうと瑠夏たちを誘おうとしたら。


「瑠夏ーっ、野菜取りに行こっ!」

「はぁ?おまえら話聞いてた?
女子は道具洗いだろー」

「だって爪濡れる!ネイル剥げたらやだー」

「ネイルしてくんなよアホ」


別の班の、いつも瑠夏と一緒にいる女子が瑠夏と腕を組んでる。

……そっか。そうだよな。

同じ班って言っても、他の班の人と行動しちゃいけないってわけじゃないし

瑠夏もおれと話すよりそっちでいる方が気楽だし楽しいよな。

邪魔しちゃ悪いし、一人で野菜取りに行こ。