コミュニケーションが苦手なおれでも、松雪さんとはちょっと話しやすいかも。


「明日は大丈夫だと思うから、
ほ、他の人の都合がよければ、明日また誘ってください」

「うん、わかった!」


じゃあ、と松雪さんに手を振って教室を出る。

もし親睦会とかやるなら、二階堂と佐野も一緒の方がいいよな。

この後二階堂に会ったら、話してみようかな。






ゲームセンターに着いて、

ガヤガヤと騒がしい店内を迷うことなく奥へ進む。

向かった先では、二階堂が椅子に座ってスマホをいじっていた。


「よ、碓氷」

「……おう」


『早速』とカードを渡せと手を差し出してくる。

おれの仕事はただ二階堂にカードを渡すだけ。……って、これ最初から二階堂に預けておけばいいんじゃ…?

おれのそんな気持ちを察したのか、二階堂が


「音ゲー以外のシステム、俺全然知らんから。
教えてくれんと困る」


そう言うから、じゃあ仕方ないかって思った。