「二階堂くんだー!
え、いいの?うちらと一緒で!」

「うん。
いつものグループだと人数多いし、誰かは別になってたから、俺と(らん)だけこっち入れてくれないかなーって」

「うちらは全然いいけど…」


そこで松雪さんがチラッとおれを見た。


「碓氷くんは?
二階堂くんたちと一緒でもいい?」


松雪さんに投げかけられた言葉に、

ウンウンと首を縦に振った。


「てことで、よろしくな、碓氷」

「う、うん…」


おれに笑いかけてくれる二階堂。

おれから誘っても絶対無理だって思ってたのに。

『なんでまた碓氷?』って変な目で見られるかもしれないのに。

なんで、二階堂は来てくれるんだよ。

おれはお前の、たくさんいる友達の中の一人にすぎないのに。

おれだけ優遇されてる気がして、いいのかなって思ってしまう。


二階堂と女子3人が黒板に名前を書きに行ってる間、おれは大人しく席に着いてたけど、

二階堂と一緒に同じ班になった佐野(さの)藍が、二階堂たちのもとには行かず、おれの前の席の椅子に後ろ向きにして座った。


「……碓氷、
瑠夏と仲良かったの?」


椅子の背もたれに肘を乗せて頬杖をつく佐野。

あー…やっぱり、疎まれてる…?