「来月、親睦を深めるための遠足があるので
今から班決めしたいと思います」


先生からそう言われたのは、午後のLHR(ロングホームルーム)の時間。

お昼ご飯を食べた後の授業は眠いけど、こういう時間なら眠くない。勉強時間じゃないだけで嬉しい。


「遠足って何やんの?」

「キャンプみたいな?
飯盒炊爨(はんごうすいさん)とか、カレー作るらしい」

「楽しみじゃん」


ひそひそと友達同士で喋ってる声がする。

……友達…

二階堂と同じ班に、なれないかなぁ…アイツ友達多いし…。


ハブられ確定じゃん。と思ってるおれは全然楽しみじゃなくなった。

ひでぇよ。友達いないやつはどうすればいいんだよ。


せめてくじ引きとかで公平に決めてほしい…と願ったけど


「6人から8人くらいで、
男女半々でグループになってくださいねー」


自由に決めろってことらしい。絶望だ。


グループ作りのために次々と席を立つクラスメイトたち。

おれは余ったところにでも…と席に座ったまま待っていたら。


「碓氷くん、一緒の班なろー!」


おれの隣に立っておれの顔を覗きこんできたのは、松雪さんだった。