「千早ー
朝ご飯できてるわよー」
「……ふぁ〜…っ。
今行くー」
翌朝。
まずスマホを開いて、3分後に鳴るはずだったアラームを止めた。
いつも通り、アラームが鳴る少し前に起きる。母さんに起こされてるというのが正しいかも。
ただ、いつもと違うことが一つ。
(学校……楽しみ、かも)
制服に着替える時、こんなにワクワクした朝があっただろうか。入学式の日ですら、『楽しみ』なんて思ってなかった。
高校入って友達つくるタイミングを完全に逃してたおれは、昨日まで友達と呼べる人は1人もいなかったわけで。
まさかこんな、もうグループも出来上がって友達ができる見込みがないと思っていた矢先にこんな奇跡が舞い降りるなんて。
しかもクラスの人気者なんて。
青天の霹靂ってやつ?
心なしか、制服に腕を通すのも緊張する。
……あたりまえだけど、二階堂とおそろいの服ってことだもんなぁ…。
…………。
……我ながら、発想がキモいな。