「俺は碓氷のことキモいとか思ってねーよ。
でも、他のやつからしたら、良い目では見られないだろうなって」

「……」

「俺もさ、あのアニメが好きでゲーセン通ってるって思われたらたぶん、残念に思うやつがいるよなって思って。
だから誰にも言ってねーんだ。
いつも教室で一緒にいるみんな友達だけど、誰にも言ってない」


……あ。


『だから誰にも言いたくなかったんだよ』


……そういうことだったんだ。

二階堂のそれは、おれと違って誇れることだと思うのに

人気者の二階堂も、まわりの目を気にして生きてるんだな。


「だからさ、
俺ちょっと嬉しいんだ。
俺の秘密知ってて、引かずに褒めてくれるやつがいて」

「……え…」

「碓氷と、友達になりてぇなぁーって、めっちゃ思った」


ニッ、と歯を見せておれに笑う二階堂。

それはさっきみたいなバカにしたようなものじゃなくて。


太陽みたいな…誰もが虜になってしまいそうな、眩しい笑顔だった。