今日はたまたま、この時間とこの場所が被っただけで。
おれは、あんまり頻繁にゲーセンに来たりしない。
だからわりと入り浸ってる様子の二階堂に合わせたら…結構な頻度で来ないといけなくなるのでは…?
「俺はいつでもいいから。
碓氷が来たい時に合わせるし」
「な、なんだよそれ…」
家で勉強しなくていいのかよ。暇かよ。
……あ、でもコイツ、成績良いんだったな。
「……不公平」
「ん?」
正直、音ゲーが苦手でコレクションを楽しみたいおれからしたらとても良い条件じゃないか。断る理由もない。
ただ、
あのクラスの陽キャ代表の二階堂と今後一緒に遊ぶとか考えたら、色々考えるだろ。
おれがもし、みんなも欲しがる二階堂の放課後を独り占めすることになったら…
………バレたら恨まれそう。
「…二階堂は、いいのかよ」
「いいって言ってんじゃん。
碓氷が俺のこと嫌いなら断ってもいいけど」
そういう言い方、ずるい。
断ったら、おれが二階堂を嫌いって言ってるみたいじゃん。
おれを悪者にしようってか。かっこいい顔してとんでもない策士じゃん。