ちょっと拗ねたみたいに、唇を尖らせる瑠夏。
………あぁ〜…本当にずるいな。
「瑠夏…好きだ…」
顔を隠しながら呟くように言ったら
瑠夏がハハッと笑った。
「俺も大好きだよー」
「……やっぱり余裕そうでムカつく!」
二人きりでいると心臓が持ちそうになくて、早く教室に行こうと歩きだす。
「……ゲームがなくなっちゃったら、
俺らって二人でいれる時間、少なくなるかな?」
不安そうな声で呟いた瑠夏に、ノートを持ってる手とは逆の手でスマホを操作して瑠夏に画面を見せた。
「……?」
「家庭用のが出るんだってさ。
ゲーセン行かなくても家でやればいい」
「へ〜まじ?
じゃあイチャつきながら出来て一石二鳥?」
「おまえなぁ…!
そういうつもりで言ったわけじゃ…!」
「ハイハイ。
でも俺は下心大アリで家行くから」
「え、おれん家来るの?」
「俺家にゲームない」
「えー…うーん…じゃあしょうがないか…」
おれん家、休日は母さんいるしあんまり二人きりになれる状況にならないと思うけど…。
「ま、近いうちにルームシェアとかして
一緒に暮らせば良くね?」
「……話ぶっ飛んでんな!?」
うーん…でも
大学生になったら、意外とすぐにその時が来るかもしれない。
ルームシェアとは名ばかりの、同棲ってやつ…?
瑠夏に恋をしてから、男同士なんて不安ばかりで、未来は真っ暗だと思っていたけど。
「……まぁ、そうなったら家事分担とかちゃんとしような」
「ふ、ははっ!
想像するだけで楽しみすぎるんだが!」
今は、明るい未来が見えるよ。
恋なんてつらいだけだと思っていたけど、
おれ、瑠夏に恋してよかった。
*おわり*