「やっぱりおれだけが瑠夏の秘密知ってるって、
超優越感!」


こういうのは、誰にも共有したくないかも。

おれ一人で独占したいもん。


「……千早って、結構独占欲強いよなー」

「そうなのかな」

「ま、俺も負けてないと思うけど」


『そんなやつの秘密を俺だけが知ってるって
ちょー優越感じゃね?』


初めてゲームセンターで会った日にそう言われたことを思い出して、おんなじだと思ってフハッと笑った。


「なに笑ってんだよー」

「一緒だと思って」

「なにそれ。かわいー。
あと千早、笑うと顔幼く見えてかわいいな」

「え!?そうか!?」

「……そういう顔、見せんのは俺だけにしろよ。
松雪さんに笑顔見せた時には、松雪さんの目ぇ潰してやろうかと思った」

「いつの話!?
いきなり物騒なこと言うなよ!」


そこまでいくと怖いよ!松雪さん可哀想…。


「マジでやったりしないけど、それくらいの気持ちがあるのは本当。
松雪さん、明らかに千早狙ってたしな」

「そんなまさか。
瑠夏のことが好きなんじゃないの?」

「おまえ……
祐希ちゃんといい、天然で女泣かせてるのな」

「瑠夏のほうが泣かせてるだろ」

「俺は自覚ありますから」


自覚ありで泣かせてるほうがクズいだろ…。


「女泣かせてまで千早が好きってことじゃん。
俺、結構ってか、かなりってか、すごく?千早のこと好きじゃんね」

「……ふ、ふーん」


なんでもないフリしてプイと顔を背けたら

瑠夏にフッと笑われた。


「照れてやんの」

「……て、照れてない!」

「はぁー?ツンデレかよかわいー」


だからそういう恥ずかしいことを恥ずかしげもなく言わないでほしい。

おれだけ余裕ないみたいじゃん。ムカつく。


「瑠夏も照れろ!」

「……照れてるよ」

「え?」

「こういうやりとりすんの慣れてねーし。
照れてますけど普通に」