「そういえばゲーム終わっちゃうってマジ？」

「うん」

「また大会あるもんだと思ってたから結構修行してたのになー」

「仕方ないよ」

「千早と２人だけの秘密だったのに、なくなっちゃうんだな」


『寂しいなー』と瑠夏が呟く。

そんな瑠夏の制服の裾を、くいっと引っ張った。


「？
どした？」

「付き合ってることも２人だけの秘密にすれば、
一応…秘密を共有してる関係ではあるよ？」


そう言ったけど

そういえば祐希に話しちゃったことを思い出して、『あ゛っ』と声が出た。


「え、なに？」

「うわーごめん！
おれ、祐希に話しちゃった…！」

「祐希ってあのケーキ屋で会った？」

「うん…。
祐希、応援するって言ってくれたからさ…」

「へー。意外」

「瑠夏の言う通り、おれのこと好きだったみたいなんだけど…」

「……は？」


これは隠さない方がいいと思って伝えたら、明らかに瑠夏の眉間にシワが寄った。


「でも！本当に応援してくれるって！
アイツ、ＢＬとか好きだったから…」

「……ふーん。
オタク仲間で良かったわ」


ＢＬ好きってとこで信用したのか、嘘じゃないとわかって瑠夏はホッと安堵の息を漏らした。


「で、祐希ちゃんにはバレてるけど
今度は付き合ってることを二人だけの秘密にしようってことね」

「瑠夏は言いたい？」

「いや全然。
やっぱり男同士は変って思うやつもいると思うし。
……世間体気にしすぎかもしれないけど」

「ううん。おれも、秘密の方がいいと思う」


祐希はわかってくれる奴だったからよかったけど

傷つく女子もいると思うし、気持ち悪いって思うやつもいると思う。

みんなに理解してほしいって、そこまでは望まない。

それに……