おれのクラスには、太陽みたいな人がいる。
「はよー、瑠夏」
「はよ」
ミルクティー色の髪。右耳に一つだけ光るシルバーのピアス。
クラスの中心。
目立つグループの、真ん中の人。
「ねぇ瑠夏、
今日の放課後カラオケ行かない?」
「来たばっかなのに放課後の話?
そん時の気分で返事していい?」
「わかったーいい返事期待してるね♡」
男子にも女子にも人気。
頭も良い。テストはいつも学年10位以内。
運動神経も。何をやっても頼れるエース。
圧倒的な、陽の人。
だから。
「碓氷くん、おはよー」
「……っす」
せっかくクラスの女の子が挨拶してくれてるのに上手く返せない陰の人間のおれからしたら
彼、二階堂瑠夏は
到底手の届かない存在だ。